日時:2016年4月30日(土)19:00~21:30
場所:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM
東京都新宿区新宿1-30-12-302 TEL:03-3352-6916
参加費:資料代500円+投げ銭
※版画運動を理解する上で池上さん精選の必読資料となりますので、ご期待ください。
話し:池上善彦(MAT-Tokyo、元『現代思想』編集長)
サークル運動時代の版画が、コレクティブ時代のわたしたちに与えてくれるヴィジョンとは
2011年311の原発事故の衝撃、それに続く安倍政権下での軍事化という暗い時代に抗う人々のあいだから反核反戦にこだわる版画コレクティブA3BCは生まれました。
A3BCは2014年から2年余りの活動は多岐に渡り、版画を通じて新しいコラボレーションと社会的実践のあり方を提示しています。その範囲は、美術館の公募展の出品から、沖縄辺野古キャンプや経産省前テントの抗議の最前線まで境界はありません。スイス、ドイツ、フランスまで、世界中のDIY精神を共有したスペースの仲間とワークショップも開催しています。マレーシアのパンクロック・スゥラップなど版画をメディアに自分たちのメッセージを彫るアートコレクティブとも活発に交流し、国境を越えて、生活から政治にアクセスするネットワークを押し広げています。
A3BCには時代を越えた版画の仲間もいます。戦後間もない日本では職場や地域のサークル活動のなかで、版画が熱心に作られていた歴史がありました。昨今、1940年代後半から1950年代に花開いた民衆文化運動として「版画運動」の意義が再評価されてきています。仲間と一緒に版画を作るサークル活動の方法は、A3BCのメンバーと共通する精神を見出せるのではないでしょうか。
時間と空間を超えてつながる版画は、一体何がその魅力なのでしょうか。かつて、どのような社会的・歴史的文脈のなかで、どのような人々が集まり、どのような版画作品を作られてきたのでしょうか。今回は、1940-1950年代の版画運動を研究されてきた池上善彦さんをお招きし、特別トーク企画を開催します。歴史を振り返りながら現在の版画コレクティブの意義を皆さんで一緒に再考したいと思います。